世界一幸せな国「ブータン」ってどんな国?国民幸福度の謎と観光名所や料理とは。

グルメ

今から10年ほど前の2013年、世界で一番幸せな国、と一躍有名になった国があったことを覚えていますか。

幸福度ランキングで上位常連の北欧諸国に続いて世界第8位になった『ブータン』という国です。

経済的には開発途上でありながらいきなりトップ10に仲間入りし、世界が一気にブータンという国に注目しました。

今回そのブータンの料理がTBS系 クレイジージャーニーで取り上げられるらしいです。

一体ブータンの幸福度ってどういうものなのか。
そもそもブータンっていったいどこにあり、どんな国なのか。

その現在と観光や料理など一緒に見ていきましょう。

ブータンってどんな国

  • ブータン王国
  • 首都 ティンプー
  • 時差 -3時間 (日本の3時間遅れ)
  • 面積 38,394キロ平方メートル (九州とほぼ同じ)
  • 人口 約78.2万人 (2022年:世銀資料)
  • 国語 ゾンカ(公用語)の他、学校教育で使われている英語、ネパール語やヒンドゥー語も通用し、ブータン各地では数多くのブータン方言が話されています。
  • 通貨 Nu(ヌルタム)。インドルピーと等価で使用されているようです。
  • 国教 チベット仏教
  • 場所 : 南アジアのインド北東部。
         ヒマラヤ山脈のの南麓に位置する場所。といっても、
         ピンと来ない方もいらっしゃいますよね。
         地図で見ると ↓ この位置です。

 

世界一幸せな国? 幸福度ってどう測るの?

ブータンが幸せだという国民の心には、
「雨風をしのげる家があり、食べるものがあり、家族がいるから幸せだ」
というものがあったようです。

すばらしいですね。経済的発展を果たしても制限なく物や地位を欲しがったり、
欲求を満たそうとする先進国からすれば達観しているように聞こえます。

しかし、人の幸せって個人個人違いますよね?

そもそも幸福度をどうやって定量化して表すのでしょうか?
勝手に「うちの国は幸せですよ」って自己採点すればいいだけなのでしょうか?

実は世界で統一された測定基準があるようです。

GNH = Gross National Happiness(国民総幸福量)

というようです。

測定方法を調べてみると、

2年ごとに聞き取り調査を実施し、人口67万人のうち、合計72項目の指標に1人あたり5時間の面談を行い、8000人のデータを集める。これを数値化して、歴年変化や地域ごとの特徴、年齢層の違いを把握する。国内総生産(GDP)が個人消費や設備投資から成り立つように、GNHは 1.心理的幸福、2.健康、3.教育、4.文化、5.環境、6.コミュニティー、7.良い統治、8.生活水準、9.自分の時間の使い方の9つの構成要素がある。

引用元:wiki

とあります。   

なるほど、それらしいような説明ですが、回答する人の主観が大きく影響するようにも感じられます。

しかも、これって 1972年にブータン王国の国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクの提唱で、
ブータン王国で初めて調査されたものなんです。

つまり、ブータンが自国を経済的な成長面でなく国民幸福度を数値化してあげようとする政策から始まったもので、一部では経済的成長の遅さや発展途上度合いへばかり目がいかないような「策」ではないか、という批判もあります。

しかしこの後、世界の幸福度ランキング調査にも使われてるようですから、
世界各国からしてもGDPなどの経済的成長だけでなく、国民の幸福度を重視しているということだとも理解できます。

当時の王様の真意はともかく、そこに目をつけ数値化したことは決してブータンだけでなく、
世界でも需要があったということなので一概に否定的なものだとは言えないと思います。

ではブータンの国民は本当に今も幸福なのか

2013年には8位というトップ10ランキング入りを果たしたブータンですが、
2023年のランキングはどうでしょうか?

2023年の順位は「World Happiness Report 2023」によると、

  • 1位 フィンランド
  • 2位 デンマーク
  • 3位 アイスランド
  • 4位 イスラエル
  • 5位 オランダ
  • 6位 スウェーデン
  • 7位 ノルウェー
  • 8位 スイス
  • 9位 ルクセンブルク
  • 10位 ニュージーランド

とのことで、
あれ?10位以内にいないですね。
どっかに抜かれて20位以内になってしまったのかもしれません。

  • 11位 オーストリア
  • 12位 オーストラリア
  • 13位 カナダ
  • 14位 アイルランド
  • 15位 米国
  • 16位 ドイツ
  • 17位 ベルギー
  • 18位 チェコ
  • 19位 イギリス
  • 20位 リトアニア

あれあれ? ここにもいない?

そう、実は2019年に95位に転落していらい、ランキングにすら登場していないのです。

どうもその理由は、以前は「情報鎖国」で他国の情報が入ってこなかったため、
国民は現状満足をしていたが、時代とともに情報が流入し、他国と比較できるようになったことが原因として挙げられています。

ずっと「これが幸せだ」と思いこんでいたが、ある日突然、外の世界を見てみれば
もっといい生活をしているじゃないか!ということに気づいてしまったということですね。

仏教の国で物質的な豊かさを求めないからだろうと思っていましたが、やはりそこは人間。
比較できる情報が入ればどうしても優劣をつけてしまうんですね。

なので、決してブータンが悪くなったとか衰えたということはなく、
比較に影響されたという結末なのです。

※ちなみにですが、日本は47位。2022年からは上がっているとはいえ、
 良いととらえるか、悪いととらえるかは、これもどの国と比較するか
 によるでしょう。

ブータンって観光でいけるの?名所や料理は?

自国が提唱した国民総幸福度ではあっという間にランキング外になってしまったブータンですが、
決して国自体が衰退したのではなく、あくまで国民の情報比較によるものです。

ブータンは実は観光地としてはひそかな人気もありツアーも組まれていたりします。

特に唐辛子料理が有名で、激辛料理ファンには外せないようです。

気候

日本同様に ブータンは四季があり、
6〜9月は雨の多い雨季、10〜5月は乾季と言われているようです。
ただ昨今は世界で異常気象が続くので渡航される方は事前に最新現地情報を入手されることをおすすめします。

参考ページ
ブータンの気候

行き方

残念ながら日本~ブータンの直行便はなく、
タイのバンコクやシンガポール経由で乗り継ぎで行くしかありません。

一番有名な空港はブータン王国の首都ティンプーの西に位置するパロ空港。

2200メートル以上の高地あり、険しい谷をぬって飛行するため特殊訓練を受けたパイロットだけが許されており、運用時間も視界のよい時間帯だけになっています。

個人観光はダメ?

ブータンは他国のように個人で好きなように渡航・入国することはできません。

かならず旅行代理店経由でビザ取得とともに、観光ツアーで訪れる必要があります。

コロナ後は中国も渡航ビザが必要になったりしていますが、
依然として191か国ビザなしで行ける最強パスポートを持つ日本国民にとっては
珍しい国の一つです。

ただビザといっても旅行代理店は慣れていますので、特に手続きの煩わしさが個人的に負担になることはないでしょう。

有名観光スポットは?

仏教国なので基本は寺院やお城や景色になってしまいます。

タクツァン寺院

パロ北部の断崖絶壁にそびえたつ寺院。

山の麓まで車で行き、そこから歩きで寺院があるところまで山を2~3時間ほど登ります。
景色や登りきった達成感は素晴らしいようですが、山歩きの経験のない方にとっては相当体力を使うと思いますので、軽装で休憩をこまめにとることをお勧めします。

プナカ・ゾン

ティンプーから車で約2.5時間。県の行政機関と寺院が入っている建物で、古くは要塞としての機能もあったそうです。
露出の多い服装は敬遠されることもあるようで、ガイドさんの注意を事前にきいておいたほうがいいようです。

パロ・ゾン

宝石の山の城ともいわれ、映画「リトルブッダ」のロケ地にもなったようです。
現在も県庁として機能しているようです。

ブータン料理は激辛?

急な山岳地帯にあるブータンは育てる野菜が限られ、厳しい環境でも育った唐辛子を野菜がわりに食べるようになったといわれています。

有名な代表料理が「エマ・ダツィ」
唐辛子のチーズ煮込みと呼ばれています。

主に青唐辛子が使われ、チーズと煮込むので、
ピーマンの入ったクリームシチューのように見えますが唐辛子です。

唐辛子の辛さはチーズで多少抑えられているとはいえ、本場味付けのエマ・ダツィは、
現地で食べたことのある日本人に聞くとやはり恐ろしく辛いといいます。

他にも唐辛子が入った料理が多いのは確かです。
子供ですらおやつでバリバリ食べている光景を見た人もいるくらいですから国民食なのです。

中華の四川や湖南料理、韓国料理など激辛ツアーが好きな人は機会あれば足を伸ばしてみるのも
いい体験かもしれませんよ。

ブータン料理を日本で食べるには?

さすがに他国料理のレストランほど多くはないですが、

有名なのは 
東京都渋谷区上原にある「ガテモタブン」さん。

孤独のグルメでも五郎さんが行ってましたね。

まだ私は行ったことないですが、一度チャレンジしてみたいです。

まとめ

世界一幸せな国として有名になったブータン王国。
そのランキングから外れはしましたが、国の衰退というより国民の情報量と比較対象が増えたということが主な原因だと考察してきました。
幸せとはあくまで自分がどう思うか、どうとらえるかで変わってきます。
あまり数値に振り回されて、どこより上だ下だ、ということ自体あまり幸せではないような気がします。

それよりもせっかく知った国なので、ぜひ激辛ブータン料理はどんなものか食べてみたいです。
辛いのが苦手な方もいらっしゃると思いますが、唐辛子しかない、というわけではないと思いますので良ければ日本でもレストランを探して挑戦してみてはどうでしょうか。

そしてもし機会があれば現地へ。

今回クレイジージャーニーでは激辛料理を中心に紹介されるようですが、
更に新しい現地情報が入るかもしれせん。

ぜひ一緒にチェックしていきませんか。

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